【その19:番外編】風のように現れて風のように、クロエちゃん。

先日、ドリプレのお客様から、クロエちゃんの話がないまま、猫ブログ終わっちゃうのですか、

と言われて、はっとしました。そうですね、クロエちゃんもそうだけど、ピピとか、ポタとか、ジャックとか、ペペロンとか、

確かにドリプレガーデンで過ごした猫たちは、他にもたくさんいたのですよね。

そういった猫たちの話もしていこうと思いました。

なんといっても忘れてならないのは、クロエちゃんです。

 

何年くらい前のことだったでしょうか。おそらく4年ほど前のことだったと思います。

うちにやってくる猫たちはだいたいが同じ季節、

そうですね、僕たちがイギリスの旅から戻ってくる頃ですから、2月中旬の頃でしょうか。

見たことのない猫が必ずガーデンに現れるのです。

クロエちゃんも、そうでした。

冬の寒い朝、ガーデン作業をしていると、あれ、黒猫だけど、コジジではないな。

クロエちゃんをはじめてみた時の感想です。

コジジよりちっちゃくて、なんだか品があります。そして、いきなり人懐っこいのです。

目が大きくて、可愛い顔立ちの黒猫の女の子でした。まだ少女のようです。

僕はさっそくクロエと名づけました。そうです、海外ドラマ「24」の天才プログラマーの女性ですね。

クロエちゃんはたちまち、お客様から大人気、そして、その性格の良さからスタッフからもたいそう可愛がられました。

たびたび、せつさんのお義母さんの部屋に遊びに行っていたようです。

お義母さんも、とてもクロエちゃんのことを気に入って、いつもそばにおいていました。

おだやかで、上品で、だけど愛嬌のある、どこか、人をほっとさせてくれる猫でした。

 

せつさんのお義母さんが亡くなった時には、

部屋から棺を出す時、外のテラスでスタッフの間に入って、静かに座ってじっとその様子を見ていました。

なんだかお義母さんとお話でもしているのかと思ったほどです。

そんなクロエちゃんなのですが、僕たちがイギリスに買い付けに行っていた2017年の冬。

いつものように帰国して、特にせつさんは猫たちに会うのをとても楽しみにしていました。

他の猫たちは全員、せつさんを待っていてくれて、盛大に歓迎の挨拶をしてくれたのですが、

なぜかクロエちゃんだけがいません。

何日もガーデン中を探し回りましたが、ついに現れることはありませんでした。

 

クロエちゃんのことが大好きで、僕たちが留守の間、猫たちの面倒を見てくれていたカフェスタッフのヨウコさんは、

僕たちがイギリスに行っている間、クロエちゃんがいなくなったことにずいぶんと心を痛めていたそうです。

 

でも、あれほど、みんなから愛される猫ちゃんで、性格もよくて、愛嬌もある子だから、

今頃はきっとどこかで幸せにくらしているに違いありません。

 

でもね、ハーマイオニーみたいに、2年ぶりで突然戻ってくる、なんてことはないのかなあ。

 

 

 

 過去の猫たちのお話はこちらから

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