いつか、モイちゃんの話をしなければいけないと思いつつ、
なかなか、切り出せなったのですね。
それほど、モイちゃんは僕とせつさんの人生にあって、
なくてはならない猫だったのです。(もう猫という範囲を越えて人間以上かもしれませんね)
僕とせつさんが東京で小さな会社をやっている時に、子猫のモイちゃんがやってきました。
もう20年以上前になるのですね。
アメショーの男の子、ちょっぴりおデブで、抜群に性格のいい、まわりをほっとさせるパワーのある猫でした。
都内の小さな事務所でモイちゃんとの生活が始まりました。
その頃は、東京の足立区のマンションに住んでいて、
その後、川崎に古い一戸建てに引っ越しました。
そこで、モイちゃんも一緒に川崎で住むことになりました。
その後、せつさんがターシャ・チューダーさんに憧れて、
ついにはこの房総半島の山の中にやってきたのですが、もちろんモイちゃんも一緒でした。
その頃、僕たちはガーデンづくりに必死でしたが、モイちゃんもよくガーデンに出ては遊んでいましたね。
房総半島での暮らしが始まってすぐに、ブラックアメショーのピピちゃんを関西の方からもらいました。
モイちゃんはまるでお母さんのようにピピぴちゃんの面倒を見ていましたね。
その後、モイちゃんはたくさんの猫たちのお母さん代わりになって、本当にやさしく猫たちを育ててくれました。
(モイちゃんは、立派な男の子ですが、なんというか男のおばさんみたいなのです)
争い事が大嫌いで、危険な猫とは徹底的に避けるという処世術を身につけていました。
ややこしいことや面倒なことには巻き込まれないという、なんだか人生を達観していたところがありました。
なんだかお坊さんのような猫で、冬になると、ずーっとストーブの火を見つめていたり、
僕たちが仕事をしていると、静かにじーっと、見ていたりするんですよね。
18年間、僕たちがいちばん人生の中でも変化に飛んだ時期を一緒に暮らしたモイちゃん。
苦しかったことや悲しかったこと、怒りや辛さ、やりきれなさやあせり、心の痛み・・・
そんな生きていく上での苦い経験を重ねていくたびに、そばにモイちゃんがいるだけで、どれほど救われたことか。
大きなふところを持った猫でした。
モイちゃんが旅立って初めて、自分の人生の中で何か大切か、気がついた気がします。
本当に、猫に教えられることは多いですね。
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