ドリプレ・ローズガーデンに初めてやってきた、さすらいの猫、チロ。
居心地がよかったのか、しばらくしたら、奥さんを連れてきました。
せつさんが、タマちゃんと名づけました。
タマちゃんは、チロと違って、野生が強いというか、まったく人に近づきません。
それでも、チロとタマちゃんは仲良くこの森のなかで暮らし始めました。
そして、しばらくしたら・・・
男の子のコチロが生まれました。チロの子供だから、コチロという、わかりやすい名前ですね。
そして、またしばらくしたら・・・・
男の子のココチロが生まれました。って、とっても安易な名前をつけたものです(T-T)
そして、さらにさらに・・・
こんどは、女の子で、名前はハーマイオニー、と、せつさんが名づけました。
ハリーポッターの大ファンのせつさんですからね(T-T)
とまあ、そんなふうにして、いつの間にか、チロは大家族を持つようになったのです。
家族で平和に暮らしていたところに、あの荒野の暴れん坊のニャジラがあらわれたというわけです
(ニャジラの話はこちらから)
すっかりお父さんになったチロは、家族を守るためにたくましく、そして優しく、このガーデンを終の棲家として選んだのです。
この家族はなんとも不思議で、チロとコチロはとても人なつこくて、誰に対しても愛想がいいのですが、タマちゃんとココチロ、ハーマイオニーはまったく人を寄せ付けません。
そんなこともあって、特にココチロとハーマイオニーの写真が少ないのです。
チロがイノシシとの闘いで命を落としてからというもの、タマちゃんとハーマイオニーは母と娘ということもあってか、いつも一緒でした。
ところが、生来の野生の血が騒ぐのか、ハーマイオニーはぷいっといなくなってしまうのです。
そして、2年が過ぎた春の初めの頃、ハーマイオニーが自分の体ほどもあるウサギをくわえて、歩いているのをガーデンのはずれの森の中で見かけたのです。
誰よりもたくましく生きていました。やはりチロの血を引いているのだと思いました。
でも、それっきりハーマイオニーを見ることはありませんでした。
ココチロも、人にはなれない猫で、しばらくガーデンにいたのですが、いつの間にか、いなくなってしまいました。
そして、コチロも2年前、ひっそりと旅立って行きました。
こうして、一人っきりになってしまったタマちゃんですが、それはもう本当にたくましく生きているのです。
タマちゃんを一度も触ったことはありませんが、ドリプレ・ローズガーデンでいちばん昔からいる猫になりました。
新参者の猫たち(特にリリーちゃん)によくいじめられているのですが、まったくめげないのです。
どこかに行ってしまう気配もありません。毎朝、事務所の馬小屋の近くにいて、他の猫たちがいなくなるのを見計らって、ご飯をこっそり食べています。
そんなことを10年以上も続けています。
そんなタマちゃんをせつさんは「タフなタマちゃん」と呼んでいます。
なんだか、すごい猫なんです。
他の猫たちのように、触れないし、呼びかけても来ないし、人をみると逃げていしまいますが、遠くからその姿を見ることはできます。
ガーデンのいちばん奥、北の森の馬小屋(と呼んでいるログハス)の周辺がお気に入りです。
タマちゃんを見かけることがあったら、心の中でいいので、「タマちゃん、がんばって。」と声をかけてあげてください。
次回は、チロとタマちゃんの息子、コチロのお話です。
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