【その3】チロの家族の物語

ドリプレ・ローズガーデンに初めてやってきた、さすらいの猫、チロ。

居心地がよかったのか、しばらくしたら、奥さんを連れてきました。

せつさんが、タマちゃんと名づけました。

タマちゃんは、チロと違って、野生が強いというか、まったく人に近づきません。

それでも、チロとタマちゃんは仲良くこの森のなかで暮らし始めました。

そして、しばらくしたら・・・

男の子のコチロが生まれました。チロの子供だから、コチロという、わかりやすい名前ですね。

そして、またしばらくしたら・・・・

男の子のココチロが生まれました。って、とっても安易な名前をつけたものです(T-T)

そして、さらにさらに・・・

こんどは、女の子で、名前はハーマイオニー、と、せつさんが名づけました。

ハリーポッターの大ファンのせつさんですからね(T-T)

とまあ、そんなふうにして、いつの間にか、チロは大家族を持つようになったのです。

家族で平和に暮らしていたところに、あの荒野の暴れん坊のニャジラがあらわれたというわけです

(ニャジラの話はこちらから)

すっかりお父さんになったチロは、家族を守るためにたくましく、そして優しく、このガーデンを終の棲家として選んだのです。

この家族はなんとも不思議で、チロとコチロはとても人なつこくて、誰に対しても愛想がいいのですが、タマちゃんとココチロ、ハーマイオニーはまったく人を寄せ付けません。

そんなこともあって、特にココチロとハーマイオニーの写真が少ないのです。

チロがイノシシとの闘いで命を落としてからというもの、タマちゃんとハーマイオニーは母と娘ということもあってか、いつも一緒でした。

ところが、生来の野生の血が騒ぐのか、ハーマイオニーはぷいっといなくなってしまうのです。

そして、2年が過ぎた春の初めの頃、ハーマイオニーが自分の体ほどもあるウサギをくわえて、歩いているのをガーデンのはずれの森の中で見かけたのです。

誰よりもたくましく生きていました。やはりチロの血を引いているのだと思いました。

でも、それっきりハーマイオニーを見ることはありませんでした。

ココチロも、人にはなれない猫で、しばらくガーデンにいたのですが、いつの間にか、いなくなってしまいました。

そして、コチロも2年前、ひっそりと旅立って行きました。

こうして、一人っきりになってしまったタマちゃんですが、それはもう本当にたくましく生きているのです。

タマちゃんを一度も触ったことはありませんが、ドリプレ・ローズガーデンでいちばん昔からいる猫になりました。

新参者の猫たち(特にリリーちゃん)によくいじめられているのですが、まったくめげないのです。

どこかに行ってしまう気配もありません。毎朝、事務所の馬小屋の近くにいて、他の猫たちがいなくなるのを見計らって、ご飯をこっそり食べています。

そんなことを10年以上も続けています。

そんなタマちゃんをせつさんは「タフなタマちゃん」と呼んでいます。

なんだか、すごい猫なんです。

他の猫たちのように、触れないし、呼びかけても来ないし、人をみると逃げていしまいますが、遠くからその姿を見ることはできます。

ガーデンのいちばん奥、北の森の馬小屋(と呼んでいるログハス)の周辺がお気に入りです。

タマちゃんを見かけることがあったら、心の中でいいので、「タマちゃん、がんばって。」と声をかけてあげてください。

 

次回は、チロとタマちゃんの息子、コチロのお話です。

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